「千葉ジェッツの奇跡」(島田慎二)

メディア寄稿実績

「Bリーグ集客ナンバー1クラブの秘密」というサブタイトルに惹かれて購入した一冊。Bリーグの人気チーム「千葉ジェッツ」経営方法が紹介されている。どのスポーツも集客に苦労する中で一体何が成功要因だったのか。

書籍概要

書籍名:千葉ジェッツの奇跡

著者:島田慎二(千葉ジェッツ代表/Bリーグバイスチェアマン)

発行:株式会社KADOKAWA

価格:1,400円(税別)

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組織改革

興味深かったのは第3章で書かれている「組織改革」について。私も組織に属するサラリーマンとして、自身の環境として比較しながら読み進めた。筆者であり、千葉ジェッツ代表の島田慎二氏は「個人技なくして組織はない」という考えの元、社員のモチベーションが高まる施策を次々と行っていく。兼務を廃止し専門を明確にする人事、業務中の喫煙禁止による労働時間の不公平感払拭、長時間ミーティング禁止による定時退社など。スポーツビジネスにありがちな“無償の愛”をベースにした働き方とは真逆である。「やりがい」「自己成長」「報酬」の3つの要素が連動する仕組みが大切であると考え、改革を進めていった過程は羨ましさも持って拝読した。

そして、そうした組織としての活動理念をフロント側だけではなく、選手や監督といったチーム側にも徹底させているのが島田氏が敏腕社長だと言われる所以。「地域愛着」を掲げ、年間150~200回ほどの地域イベントにも選手、チアリーダーを稼働させているとのこと。プロスポーツクラブである以上、コート上以外の仕事も重要だが、実際に行う上では様々なハードルがあることはよく語れている。日々の地道な地域貢献こそ集客に成功した最大要因ではないかと感じた。

その他の章では「bjリーグからNBLへ転籍の裏側」、チームとしてどのようなスタイルで戦うのかを定義した「チーム理念」、人気選手である「富樫勇樹選手獲得の経緯」なども紹介されており、千葉ジェッツファンなら必読の内容となっている。

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ABOUTこの記事をかいた人

1984年生まれ、大阪府出身。関西学院大学卒業後、スカパーJSAT株式会社入社。コンテンツプロモーションやJリーグオンデマンドアプリの開発・運用等を担当。2020年に筑波大学大学院でスポーツ社会学領域の修士号を取得。現在はスポーツ系出版社のライター&WEBサイト運営。ビジネス関連のテーマを中心に取材・執筆。F1と競馬も好き