「変えない」という選択 -平井将生選手(アビスパ福岡)の決勝ゴールを見て-

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元ガンバ大阪の平井将生選手と寺田紳一選手が出場する試合を観に、レベルファイブスタジアム(福岡)に足を運んだ。環境が変われば、求められるものも変わる。その変化の中で両選手がどんなプレーを見せるのかに注目していた。

自分を貫く

寺田選手は明らかにチームの中心選手だった。ガンバ時代以上に守備での献身性が印象的で、チームのバランスを気にしながらプレーする姿からは、視野の広さを感じさせるものだった。同時にJ2というカテゴリーで落ち着く選手でもないと感じたので、この先のキャリアでのステップアップを期待したい。

平井選手は後半から途中出場。寺田選手とは違い、ガンバの頃からプレースタイルは変わっていなかった。それが良いことなのか、悪いことなのかは分からない。チーム内でスタメンを争う坂田大輔選手が攻守に献身的なプレーヤーなので、ゴールを狙うことに特化した平井選手のスタイルはリスクがあるようにも感じた。なぜなら結果を出す以外に生き残る道がないだから。アビスパにはヤットフタもいない。簡単な選択ではない。事実、この試合でも試合に絡めない時間が続いた。

しかし、である。最後に歓喜が待っていた。後半ロスタイムに決勝ゴールを決めたのだ。これが平井選手の生き方なのだろう。万博では聞こえてきた野次もここでは聞こえない。平井選手にとって福岡は良い環境かもしれない。

両選手ともに現所属クラブに居場所があることを確認でき、嬉しい気持ちでスタジアムを後にした。今後のキャリアに幸あれ。

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1984年生まれ、大阪府出身。関西学院大学卒業後、スカパーJSAT株式会社入社。コンテンツプロモーションやJリーグオンデマンドアプリの開発・運用等を担当。2020年に筑波大学大学院でスポーツ社会学領域の修士号を取得。現在はスポーツ系出版社のライター&WEBサイト運営。ビジネス関連のテーマを中心に取材・執筆。F1と競馬も好き