甲府にヴァンフォーレが根付いていると感じた遠征

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深夜の運転を終え、試合会場の甲府より帰京。信玄餅を食べながらこの記事を書いている。今回の遠征で印象に残った思い出は、試合後に立ち寄った「小作」の店員さんの一言。試合結果を質問されたので、ガンバが勝った旨を伝えたところ……

「あらー。ヴァンフォーレは1位じゃなくなったのね。甲府の人は首位だって喜んでいたのに」

“第1節終了時点で首位”という小ネタを把握している情報感度の高さに、甲府市におけるサッカー文化の根付きを感じた。

「中華蕎麦うゑず 」(JIT リサイクルインク スタジアム)

2021年10月5日

地域とクラブの密な関係は試合運営を支えるボランティアの存在からも感じることができた。今節、スタジアムビジョン(電光掲示板)の運用においてミスが起きた。ガンバ大阪のエンブレムとしてセレッソ大阪のエンブレムを表示させたのだ。無論、ガンバサポーターは大激怒。“やってはいけないミス”ということで、クラブの社員がゴール裏まで謝罪に来たのだが、そこで驚きの一言があった。

「スタジアムビジョンの操作はボランティアが担当していて……」

駐車場内の誘導係も、スタグルに使用されている食器のリユース係も……スタジアム中でこれほどボランティアが稼働するスタジアムが他にあるだろうか。甲府ではサッカー専用スタジアム建設の計画が話題になっているらしい。これだけ地元に愛されているクラブなので、市民の理解がすぐ得られそうだ。

未来への投資

最近、若手の頑張りに涙腺が緩む。Jリーグデビュー戦となる初瀬のアシストで今シーズン初勝利をあげたガンバ大阪。試合後、ゴール裏にむかって何度も頭を下げる初瀬の姿にガンバの未来を感じ、なぜだか心を揺さぶれた。

試合自体は序盤に「ウー」(決定機)連発だったことが油断を生んだか。試合途中に「ゴール裏の雰囲気がぬるい」とコールリーダーからの叱咤激励があったが、ピッチ上でも同じような事が起きていたように見えた。確かに甲府の脅威はクリスティアーノの個人技だけであり(阿部ちゃん&ジェソクの対応が素晴らしかった)、負けるとは90分間を通じて思わなかったが、J1で簡単に勝たせてくれるクラブはいない。

攻撃面での物足りなさは、本田圭佑選手にならって“伸びしろ”と考えよう。メンバーをローテーションしても完封勝利ができたチームを褒めよう。健太監督の決断、マネジメントに拍手。この時期のローテーションが疲労や怪我人が増えるであろうシーズン後半にむけての貯金となることを期待している。

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1984年生まれ、大阪府出身。関西学院大学卒業後、スカパーJSAT株式会社入社。コンテンツプロモーションやJリーグオンデマンドアプリの開発・運用等を担当。2020年に筑波大学大学院でスポーツ社会学領域の修士号を取得。現在はスポーツ系出版社のライター&WEBサイト運営。ビジネス関連のテーマを中心に取材・執筆。F1と競馬も好き