「全くゼロからのJクラブのつくりかた」(望月重良)

メディア寄稿実績

昨年秋、社会人向け大学院の同級生とeスポーツチームを立ち上げ、まがりになりもスポーツチームのマネジメントを体験させてもらっている。チームを存続させるための商品、営業、広報、人事、運営……対応すべき課題は山積。チーム立ち上げ前~現在において最も大切にしているのは“想い”。すべての原動力で、それがないチームはガソリンが入っていない車に等しい。

その想いは「理念」「ビジョン」などで世間に公表されることが多い。軽視されがちな抽象的な要素で、近年のスポーツビジネスはそれ以上にビジネスライクなメソッドが尊重される傾向も感じる。少し寂しい。想いにファンの共感が集まり、発展していく業界であって欲しいと思っている。甘いことを書いているのは自覚しているが……。

そんなことを考えているタイミングで、勇気をもらえる内容が記載された一冊に出会った。SC相模原代表・望月重良氏が執筆している。

書籍概要

書籍名:全く0からのJクラブのつくりかた -サッカー界で勝つためのマネジメント-

筆者:望月重良

発行:東邦出版

価格:1,400円(税別)

詳細はこちら

日々挑戦

経営の知識に乏しい元Jリーガーの望月氏が知人から「相模原にサッカーチームをつくってくれませんか?」と言われたことを機に奮闘する物語。相模原SCがJ3参入するまでのエピソードが紹介されている。本書には小難しいビジネス用語は一切出てこない。望月氏が手探りで、泥臭く経営を続けてきたことが生々しく知ることができる。困難の連続にも常に前向きのメンタリティを維持していることに驚かされた。

「できるか、できないか」を基準にしていると、いつまでたっても人生の一歩を踏み出せません。大事なのは「情熱」と「信念」そして「覚悟」。この3つの言葉が成功する鍵です。くよくよしない、悩まない、振り返ったってしょうがいないと腹を決める。最終的にはトップの情熱がクラブの結果を左右していきます。

どんな状況でもクラブも未来に期待していることが行間から伝わってくる。サポーターやスポンサーの期待を力に変え、「相模原の人達をサッカーで笑顔にする」というミッションに全力で取り組んできた文章は、多くのサッカーファンにとっても勇気となるはず。今、なぜこの仕事をしているのか、勉強をしているのか。望月氏の言葉は“原点”を思い返すきっかけを与えてくれた。

望月氏は最終章でこのように断言している。

「やろうと思えば誰だってできます。ぜひ心の底からワクワクする目標や夢にトライしてほしいです」

Digiprove sealCopyright protected by Digiprove
人気記事紹介

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

1984年生まれ、大阪府出身。関西学院大学卒業後、スカパーJSAT株式会社入社。コンテンツプロモーションやJリーグオンデマンドアプリの開発・運用等を担当。2020年に筑波大学大学院でスポーツ社会学領域の修士号を取得。現在はスポーツ系出版社のライター&WEBサイト運営。ビジネス関連のテーマを中心に取材・執筆。F1と競馬も好き