Jリーグを食べて応援 -スタジアムグルメをお取り寄せ-

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2月23日(日)に日産スタジアムで横浜F・マリノス-ガンバ大阪戦を観戦してから約2か月が過ぎた。新型コロナウイルスの影響で試合がない日々に虚無感を感じつつも、サッカー関係者の皆様の創意工夫のおかげで、まったくサッカー(コンテンツ)を楽しめない生活にはならず、もう少しの間であれば我慢できそうである。

しかし、状況的にはあまり悠長なことを言ってられない。

コロナ禍で求められる「自粛」とは、「≒仕事がなくなる」側面もあり、普通の生活維持が困難になりつつあるサポーター仲間がいる事実。明日は我が身という不安に怯えながら、この危機に対してできることは何なのかを考える。SNSやブログで浪花節を投稿しても何も解決しないだろう。倒産・閉店後の行動では遅い。直接的な応援がしたかった。「同情するなら金をくれ」である。

そんな時、大阪に帰った際は立ち寄らせて頂いているカフェ「iugar」大塚店長の呟きを目にした。

「これだ!」と思った。誰しもが苦しい状況であるのは間違いないが、中でも飲食店のダメージは深刻だ。ここ数年はスタジアムに応援に行っているのか、グルメを満喫しに行っているのか分からない状態である私のようなサポーターがまず行うべきことは、スタグルを出店されている会社の商品をお取り寄せ(テイクアウト)すること。無理のない範囲で応援でき、ステイホームも楽しめて一石二鳥である。

キング・オブ・スタグル「ハラミメシ」(2018年シーズン版)

キング・オブ・スタグル「ハラミメシ」(2022シーズン版)

応援するつもりが応援されていた

最初に購入したのは、カシマスタジアムのスタグル・居酒屋ドリームの「ハラミメシ」。ピンチはチャンス。普段はホーム(鹿島)サポーターしか立ち入ることができないエリアで販売されているスタグル、今なら通販で購入できる。私は“密輸”で楽しませて頂いた以来のファンで、Jリーグの中ではベストスタグルだと思っている。

密輸 -カシマスタジアムにて-

2018年3月4日

ハラミメシが繋ぐ縁 -カシマスタジアムの密輸文化がもたらすもの-

2022年3月26日

スタジアムと(ほぼ)同じ味が楽しめた。味付けされている状態で届くので、解凍して煮込むだけという手軽さが嬉しい。1パック2人前とは思えない量のハラミが入っており、1パックで白米3合はいける。

そして、店長の「またスタジアムで会いましょう!」と書かれた直筆メッセージが嬉しい。応援するつもりが逆に応援される。いつもそうだ。クラブにも、選手にも、スタグルにも、「サポーターだから応援するぞ!」と意気込んでスタジアムに行ったにもかかわらず、結果的に元気や勇気をもらっているのはいつも自分だ。

こうした経験の積み重ねで我々サポーターは、いつしか応援する対象を二人称ではなく「私達」と一人称で捉えるようになるのかもしれない。それはJリーグサポーターが持つ魅力であるし、これまでの歴史で築いてきた素晴らしい文化でもある。

仲間のピンチは自分のピンチであり、仲間の幸せは自分の幸せ。普段は「ガンバ以外の全クラブ負けろ」と思っている私にも、人間らしい感情が残っていたのは、Jリーグのおかげに違いない。

村井チェアマンはコロナ禍の状況を受けて、Jリーグの在り方を「競争から共存へ」と、考え方のチューニングが必要である認識を示してた。私も自クラブ、他クラブ関係なく、Jリーグ関連グルメをお取り寄せしていこうと思っている。

先日、サッカーがない日々が当たり前になることで、ファンの数が減るリスクを言及する記事を読んだ。本当に恐ろしいことだ。サッカーで得られる感動は、同じ感情を共有できる人数に比例する。サッカー仲間を1人でも減らしたくない。「サッカーが好き」という感情で繋がった仲間との関係は、少しでも長く続けたい。

サッカーがある日々を取り戻すために、明日もステイホームしようと思う。お取り寄せしたスタジアムグルメを食べながら。

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ABOUTこの記事をかいた人

1984年生まれ、大阪府出身。関西学院大学卒業後、スカパーJSAT株式会社入社。コンテンツプロモーションやJリーグオンデマンドアプリの開発・運用等を担当。2020年に筑波大学大学院でスポーツ社会学領域の修士号を取得。現在はスポーツ系出版社のライター&WEBサイト運営。ビジネス関連のテーマを中心に取材・執筆。F1と競馬も好き