サッカーイラストレーター五島聡さんが描いた遠藤保仁選手の絵を買った話

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初めて五島聡さんの作品を見た時のことは、今もはっきりと覚えている。あるサッカー選手が描かれていたその絵は、言葉では表せない圧倒的な“熱量”を持っていた。まるで命が吹き込まれているような……何かを訴えてくるような存在感。一見しただけで高価なものだろうと分かった。一枚描くのに相当な時間と労力がかかっていることが安易に想像できたからだ。それでも欲しかった。絵を欲しいと思ったのは初めてのことだった。

サッカーショップKAMOに展示されていたその絵には、作者の名前はなかったと記憶している。それゆえ「サッカー イラスト パワフル」「Jリーグ 絵 画力」など関連しそうなワードで検索を重ねて辿り着いた「五島聡」さんの名前。そこからは本人のツイッターをフォローし、HPも定期的にチェックして購入できる機会を待った。

しかし、数年間待っても販売の気配はなく「法人用なのかな?」「特別なルートがあるのかな?」とくじけそうになった時もあった。あまり親しくない電通の友人に電話をしてみようかとも思った。そして、訪れた運命の日。

まさかの格安叩き売り!!数万円……いや、もっとする可能性もあると思っていたものが数千円で手に入るなんて。待ち続けた数年間が報われる時がきた。すべての予定を調整し、展示会(発売会)が開催されている目黒へ向かった。

大好きな絵が大量に並んでいる空間は壮観だった。一枚一枚の絵に込められた物語に想いを巡らせながら鑑賞する時間は心を充実させた。こういう芸術がサッカー文化をさらに豊かにするのだろう。値段も安いので全部買おうかとすら思ったが、絵と過ごす幸せは多くのサッカーファンとシェアすべきだろうと自粛した。絵が好きそうなJリーグサポーター仲間にも連絡。そして、購入したのが我らがレジェンド・遠藤保仁選手が描かれた2枚。

サヨナラを伝える前に -遠藤保仁選手の移籍によせて-

2020年10月5日

拍手するヤットの絵

ワールドカップでFKを決めた時の絵

五島さんご本人から「ガンバサポーターですか?残ってて良かったですね」と声を掛けられて購入した2枚の絵は早速部屋に飾ってある。きっと一生大切にするだろう。何時間でも見ていられる。絵の力はすごい。動かないし、音も発しない。しかし、だからこそ刺激される感情が確かにある。好きなものに囲まれて生活する幸せ。

この絵に励まされながら、明日からまた頑張ろう。

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2 件のコメント

  • ガンバサポーターの者です。
    青い油彩画の遠藤さんの作品は、Jリーグサッカーキングに掲載されていたものですね。これが原本でしょうか?
    小さな雑誌の写真でも迫力があって印象に残っていました。ご購入羨ましい…。

  • 五島聡さんのイラストについてザッピングしていたら、こちらのブログにたどり着きました。おそらくtwitterの方はフォローさせていただいています。
    ひょんなことから私の方にも五島さんの絵がとどいたのです。
    私が長いこと俊輔のファンをしていることを知っている人がお礼にくださいました。
    その絵がこちらの写真に写っていたのでつい嬉しくてコメント書かせていただきました。
    「numberで使われたイラスト」です。
    私も一生大切にすると思います。
    そして同じようにこの絵に励まされて、日常も応援も頑張ることでしょう。

    俊輔くんもヤットくんもできるだけ長くそのプレーで魅せてくれることを祈っています

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1984年生まれ、大阪府出身。関西学院大学卒業後、スカパーJSAT株式会社入社。コンテンツプロモーションやJリーグオンデマンドアプリの開発・運用等を担当。2020年に筑波大学大学院でスポーツ社会学領域の修士号を取得。現在はスポーツ系出版社のライター&WEBサイト運営。ビジネス関連のテーマを中心に取材・執筆。F1と競馬も好き