今年6月、ワールドカップを観戦しにブラジルに行った際、試合開始前のスタジアムで某TV局から「ちょっとインタビューいいですか?」と声をかけられた。話を聞くとニュース番組で放送する映像を撮りたいのだが、協力してくれる人がいなくて困っているという。

協力してあげたい気持ちはあるものの、残念ながら私は滑舌が極端に悪い。故に「すいません。遠慮したいのですが・・・」と断ろうした瞬間、隣にいた後輩が「あっ、いいっすよ。ねっ、先輩」とまさかの台詞。感謝の言葉を告げるTV局スタッフ。インタビューは実行された。

すぐに終わると聞いていたインタビューは数分間続けられ、質問は多岐に渡った。ただ、カメラに向かって話すのは意外に気持ちが良い。特に「期待する選手は?」という質問に対してヤットへの期待を話した際は、自分の感情が高まっていくのを感じた。カメラの横に立っていたTV局スタッフの笑顔で頷く姿に手応えを感じつつ、インタビューは終了した。

試合後、ホテルに戻り携帯電話を確認すると大量のメールが届いている。中身を確認すると「ブラジルに行っているの?」「TVに映っててびっくりした!」等々、インタビュー映像を使ったニュース番組を観た友人達からだった。無事放送された事を知り、私の滑舌は問題なかったのだと安心した。

しかし、帰国後、実際に放送されたニュース映像を観てその考えは間違っていたことを知る。あれだけ多くの質問に回答したのにも関わらず、インタビューの大半はカットされ、放送されたのはわずか10秒程度だったのだ。しかも、私の言葉には字幕が付けられているではないか。そして、遠藤保仁選手の魅力を話した部分は1秒も放送されていなかった。

ヤットは何も悪くない。悪いのは私の滑舌である。今考えれば、TV局スタッフの笑顔は苦笑いだったのかもしれない。日本代表の敗戦に加えてダブルショックなブラジルの旅だった。




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一日中サッカーのことばかり考えているダメサラリーマン。東京在住の30代男性。衛星放送の会社に勤務しつつ、大学院でスポーツを勉強中。アウェイ遠征時は御朱印をもらってからスタジアムへ。炭水化物抜きダイエットを実施中。好きな食べ物はカレーライス。