福岡将太選手や半田陸選手のようになりたい -敗戦との向き合い方-
2023シーズン第13節。対浦和レッズ戦。埼玉スタジアムで目にした光景は、寂しいものだった。 失点直後、試合終了を待たずに席を立つサポーター。試合後、不貞腐れたようにも見える態度でゴール裏に挨拶をする選手達。 ネガティブ…
2023シーズン第13節。対浦和レッズ戦。埼玉スタジアムで目にした光景は、寂しいものだった。 失点直後、試合終了を待たずに席を立つサポーター。試合後、不貞腐れたようにも見える態度でゴール裏に挨拶をする選手達。 ネガティブ…
今シーズン、ガンバ大阪は積極的な戦力補強を敢行した。 怪我人で苦労した昨シーズンを考えれば、納得感のある編成である。多くのメディアで報じられた「東口・谷 レギュラー争い」を筆頭に、各ポジションで主力級の選手達が鎬を削って…
過去の私なら「アンチフットボール」として批判していたようなスタイルでも、マイクラブが勝ち点を得た喜びは、昔と何も変わらなかった。 「黄金の中盤」時代の美しいサッカーに未練を残しつつ、第23節サンガ戦における食野選手のゴー…
MBSのドキュメンタリー番組『情熱大陸』。近年の放送では、明るいキャラクターの人物に密着する回ほど喪失の過去を描かれることが多い。解散、婚約解消……影を紹介することで光を際立たせる狙いもあると思うが、そうした過去が当人の…
今シーズン開幕前は橋本英郎選手、安田理大選手らガンバ大阪の黄金期を支えた選手達が新天地探しに苦労した。ネームバリューだけでは飯が食えない世界。ある時から年齢と自身の価値が反比例するサッカー界の特殊さ、残酷さをあらためて感…
「ここで活躍して、欧州5大リーグへステップアップして、日本代表に選出されて……」 2021年1月、セルビア・スーペルリーガ1部のOFKバチュアに移籍した宮崎崚平はそんな未来を想像していた。自信があったし、それだけの努力を…
ヤマハスタジアムに行くと、2012年のJ2降格が決まった試合のことを思い出す。あの日、試合後にピッチ上で演奏された「必死マン」(シクラメン)を聞いた時の虚無感は多分、一生忘れない。 あれから10年が経った。当時、真っ先に…
まずはこちらをお聴きください。 中島みゆきの名曲「時代」。以下、Aメロ歌詞の転載。 そんな時代もあったねと いつか話せる日が来るわ あんな時代もあったねと きっと笑って話せるわ ガンバ大阪創立30年間を記念して発売された…
本書で構成を担当されている宇都宮徹壱さんから「ガンバサポには興味深い内容が満載ですよ」と推薦してもらった一冊。ガンバ大阪ユース出身の松本光平選手が主人公。年齢的には同期に安田晃大選手、1つ上の学年に倉田秋選手がいる世代。…
ガンバ大阪創立30年イヤーの発売に相応しい一冊。著者は長年ガンバのオフィシャル媒体を中心に記事を寄稿されている高村美砂さん。1991年から2021年までのクラブ史が、選手コメントにフォーカスする形で紹介されており、そのボ…
ガンバ大阪の社員さんにインタビューさせていただいた記事「4973人の『GAMBA EXPO』がつなぐ未来。ガンバ大阪、30年目のリスタート」を先日公開した。書き手の立場から記事内容を要約すると、ポイントは「コロナ禍でも『…
プロサッカー選手・宮崎崚平。高校卒業後はジョイフル本田やいわきFCなどでプレーした後、ポーランド、アメリカ、マレーシアと、海外クラブでキャリアを重ねてきたストライカーだ。そして2021年、新たな戦いの地に選んだのはセルビ…
年末になり、今年も地元での同窓会が何回か予定されている。馬鹿な思い出話に花を咲かしていた時は過ぎ、大学卒業から10年以上経つと話題は限られてくる。多くの参加者にとって共通の話題は「仕事」だ。大人の近況報告とは業務報告なの…
ヤットと共に歩めない未来が迫っていたことは分かっていた。皆、薄々気が付いていながら、その現実を直視していなかっただけだ。ただ、正式発表が出た今も感じるリアリティは薄い。仕方ない。2001年のガンバ加入から約20年間、ゴー…
ガンバ大阪の番記者としてお馴染み、下薗昌記氏の最新作。2015年に発売された「ラストピース」以来、5年ぶりとなる書籍のテーマは“育成”。 宮本恒靖、二川孝広、家長昭博、宇佐美貴史、堂安律……数々のスター選手を輩出してきた…
予想通りマッチデープログラムの表紙には田中達也選手が印刷されていた。古巣相手の選手を活用したプロモーションは、どのクラブでも実施される賑やかしの常套手段である。そうした“煽り”が効いたのか、大分トリニータのスタメン紹介時…
「進撃の巨人」にこんなエピソードが出てくる。 他国との交流が始まったことにより貿易が開始。輸入されたワインは評判を呼び、巷で大流行するのだが、それは相手国の罠だった。そのワインには巨人になってしまう薬が混入されていたので…
どんな選手のキャリアにも、ターニングポイントが存在する。そんな“分岐点”をテーマに、Jリーガーに対するインタビューがまとめられた一冊。登場するのは、一流選手19名。有名な方々ばかりなので、語られる分岐点は「やっぱり、あの…
この日、スタジアムは2つの感情を持っていた。1つは「ガンバを勝たせたい」。もう1つは「ウィジョにゴールを決めさせたい」。「ガンバに勝って欲しい。できればウィジョのゴールで」。これがサポーターに共通する想いだった。 0-0…
「過剰戦力(戦力過剰)」という言葉。よく使われている印象がある。それは最近のガンバ大阪に対しても。ただ、考えると不思議だ。18節終了時点で14位のクラブ戦力が過剰であるはずがないのだから。戦力不足だから弱い。そう捉える方…
日本で唯一の肩書き「ドリブルデザイナー」を持つ岡部将和さん初の著書。YouTubeで公開されている「ドルブル解説動画」で存在を知っている方も多いかもしれない。最近はイベントやメディア出演も多く、サッカー界で独自の道を切り…
1-0で迎えた後半アディショナルタイム。自陣でのクリアの流れから疲労を感じさせないスプリントでカウンターを仕掛ける福田湧矢選手。状況は数的優位の3対2。パスを出せば決定機だった。しかし、彼の選択はシュート。キム・ジンヒョ…
2019年シーズン、大卒でJリーグ入りした選手は約90名。約75名の高卒選手を上回っている(「平成30年度 第67回全日本大学サッカー選手権大会総評」より)。日本サッカー界で存在感を高めつつある大学サッカー。大学に進学す…
宮本恒靖監督は就任直後から“願掛け”を重視している。話題になったのは「ポストにお礼を伝える」行為であるが、論理的な印象が強い人物であったので意外な印象も受けた。 こうした言動は他の監督にも見られ、オリベイラ監督が敗戦の理…
私は誰かの人生にとってのアデミウソンになりたい。同時に自分の人生に宮本恒靖監督(救世主)が現れて欲しい。スタジアムに行くたびに思う。サッカーは人生の縮図だと。ゴールに涙したのはいつ以来だろう。優勝にも匹敵するような興奮が…
ここ数か月、よく聞かれることがある。 「なんでガンバ弱いの?」 この記事を読んでいるガンバサポーターの皆様にも、職場や学校で同じような質問が投げかけられいるのではないだろうか。多分、答えは1つではない。「監督が変わったか…
初めて五島聡さんの作品を見た時のことは、今もはっきりと覚えている。あるサッカー選手が描かれていたその絵は、言葉では表せない圧倒的な“熱量”を持っていた。まるで命が吹き込まれているような……何かを訴えてくるような存在感。一…
クルピ監督が頻繁に発言する「年齢は関係ない」は、長谷川健太前監督における「攻撃的なサッカーをしたい」と同じだと思っている。つまり、建前。クルピ監督は一般的なイメージ通り、若手選手の成長を見るのが大好きなように見える。 今…
ドリカムの吉田美和さんは「何も聞かずに、つきあってくれたこと」に対して、パンサーの尾形さんはギャグとして、大熊清さんは坂田大輔選手の献身に……人間は一人では生きられない。支えてくれた人に対して、感謝を伝えあうのは、とても…
試合後、サポーターに手を振り、ベンチに戻る藤ヶ谷選手の姿を見て声が出なくなった。これまでも何度だって色んな選手の引退を経験してきているはずなのに……。溢れ出た特別な感情が藤ヶ谷選手の偉大さの証明だろう。 セカンドキーパー…