試合後、肩を落とす選手達を拍手で迎い入れる川崎フロンターレサポーターを眺めていた。

退任する風間監督へ感謝を示す横断幕が掲げられ、退団する大久保嘉人の挨拶に涙する……あの光景を“ぬるい”“だから負けるんだ”と評する声も聞いた。一方で思う。これは幸せな時間ではないのか。

天皇杯仕様になった万博記念公園駅

「タイトルを獲らなければ何も残らない」というのは第三者の視点だ。確かに無冠で終わった風間監督時代の川崎フロンターレのサッカーは数年後、多くの人に忘れられるのだろう。ただ、それが川崎サポーターにとってもあてはまるかは分からない。

道は続く。鬼木新監督は継続路線。同じく継続路線で成功した広島の前例(ミシャ→森保監督)を考えても、この決勝戦が川崎にとっての集大成にはならないのではないか。

虚無感の先に

ガンバが勝ち残る事を信じて購入したチケットは川崎フロンターレ側の指定席だった。ゴール裏が近かったのでフロンターレサポーターの決勝にかける想いの強さはチャントの声量からも伝わってきた。想いが強ければ強いほど夢破れた時のショックは大きく「もしもフロンターレが負ければ……」という視点はこの試合の見所の1つだった。フロンターレサポーターには申し訳ないが、第三者にとって悲劇はエンタテイメントだ。そして、結果は良いサッカーをして負けるというこれ以上ない儚いものとなった。

風間監督と大久保嘉人のラストゲームという点に加え、CS準決勝敗戦の悔しさも背負った一戦だったと思う。試合中、それが力になったのか、重荷になったのかは分からない。ただ、味わった虚無感が大きければ大きいほどクラブへの愛が強まる不思議。補強が進んでいる川崎は来シーズンもきっと強いだろう。

敗戦を否定するブーイングではなく、拍手の先に未来がある。

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駄文系サポーターブログ管理人。“サポーター目線”をコンセプトにJリーグやガンバ大阪に関する雑記、全国のラーメン食レポなどを執筆。10年間の衛星放送会社勤務を経て、サッカーメディア編集者に転職。筑波大学大学院でスポーツ社会学を研究(修士号取得)。趣味は炭水化物抜きダイエット。好きな食べ物はカレーライスとラーメン。ツイッターID:@7additionaltime