Jリーグサポーターのジレンマ -サッカー日本代表との距離感-

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先日、久しぶりにサッカー日本代表の試合を観戦した。無論、私も1人のサッカーファンとして応援を楽しんだが、日本代表に関しては“第三者目線”で観ている時がある。言い換える。日本代表に関しては「We」ではなく、「They」として捉えている。

私は日本代表ファンであり、ガンバ大阪サポーターでもあるが、ガンバ大阪に関しては前述のような感情(They)をもったことがない。この要因は、コミュニィサイズにあるのではないかと考えている。つまり、コミュニティが小さい方が対象(選手たち)に強い愛着(連帯感)を感じることができる……という考え方だ。

日本代表の試合はスタジアムの雰囲気が「軽い」「お祭り」と批判されているのをよく見かけるが、Jリーグとの比較で考えた場合、上記の理由から仕方ないと捉えている。むしろ、その(Jリーグよりも低い)熱量で埼玉スタジアムを満員にできる(しかも、チケット代も高い)コンテンツ力の凄さを、ポジティブに解釈した方がいい気もする。入口のハードルが高いと言われるJリーグと、誰でも楽しめる日本代表。それでいい。

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矛盾する承認欲求

日本代表を特別視している側面もある。

観戦した試合では、日本代表という“媒体”を通じて、ガンバ大阪所属の倉田秋という選手を日本中のサッカーファンに知ってもらえたことは我が事のように嬉しかった。ガンバ大阪というコミュニティ内では評価されていた選手が、より大きなコミュニティに認められる喜びがあった。

日本代表に選出された倉田秋

Jリーグにおいて、欧州移籍を快く送り出すパターンが多いのは、欧州サッカー界がより大きな世界であることを認めているからこそだが、同じことは日本代表にも当てはまる。

「ハリル監督にうちの●●(選手名)がバレる!」
「代表に行かせないで休ませたい」

代表選出をネガティブに捉えるJリーグサポーターはいる。私にも近い感情がある。ガンバ大阪の1勝は、ワールドカップ最終予選の1勝より100倍重い。ただ、日本代表の選出や活躍を誇りに思う気持ちもある。

この矛盾する気持ちと付き合いつつ、Jリーグと日本代表の両方をこれからも応援しようと思う。

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1984年生まれ、大阪府出身。関西学院大学卒業後、スカパーJSAT株式会社入社。コンテンツプロモーションやJリーグオンデマンドアプリの開発・運用等を担当。2020年に筑波大学大学院でスポーツ社会学領域の修士号を取得。現在はスポーツ系出版社のライター&WEBサイト運営。ビジネス関連のテーマを中心に取材・執筆。F1と競馬も好き