【ACLアウェイ遠征記】ガンバ大阪サポーターの江陵大集結がもたらすモメンタム

メディア寄稿実績

ガンバサポの夜は遅い。

深夜2時。羽田空港第3ターミナルに1人。移動中は本を読みたいので、サポーター仲間とは現地で合流する遠征スタイルが好きだ。

かつては毎年のように経験してきた深夜に飛行機を待つ時間にガンバがACLの舞台に戻ってきたことを実感する。20代の頃は「こんな無茶な時間に移動ができるのは若い時だけ」なんて思っていけれど、いまだに同じLCCを選んでいる。腰が痛い。10年後はビジネスシートで移動したい。

サポーターをやめるとき

2018年4月20日

阪神競馬場の最寄り駅と同じ名前の空港に到着後、イミグレに約2時間要するアウェイの洗礼も想定内。余裕をもったスケジュールで予約していたKTXでいざ決戦の地・江陵へ。

ソウルから江陵へはKTXで約2時間

平日ACLアウェイ遠征への眼差し

「ここは千里中央か?」

そんな勘違いをしそうなほどに韓国ではガンバサポーターの姿を見かけた。

仁川空港のシャトルトレイン、KTXソウル駅で電車を待つプラットフォーム、江陵名物のスンドゥブ屋の店内、宿泊した治安が悪そうなエリアにあるホテルの廊下、交差点でも、夢の中でも、明け方の街、桜木町で、旅先の店、新聞の隅、急行待ちの、踏切あたり……普段ならこんなところにいるはずもない場所で青黒のユニフォームを着た日本人がいた。

先のW杯では日本代表敗退の一因および伸びしろとして、森保監督をはじめとするチーム関係者が『サッカーへの関心をより高める必要性』を語った。アルゼンチン代表サポーターの応援を引き合いに出し、国民のサッカーに対する熱量がチームのアドバンテージに繋がる、と。

その意見はガンバ大阪サポーターとしての経験から共感できる。

私が初めてACLアウェイ遠征を行ったのは2009年に中国・済南で開催された山東魯能戦で、当時は平日に会社を休んで海外にサッカーの応援に行くことに否定的な意見が社内であったことを覚えている。ただ、『働き方改革』や『推し活』といったトレンドも後押しして、社会からサポーター活動へ眼差しが少しずつ肯定的なものに変化していった。今では趣味のために有給休暇を消化することが推奨されている節すらある。

そうした価値観の変容は今回の『ガンバ大阪サポーター、江陵大集結』に繋がっている。AFCチャンピオンズリーグEliteの出場権を決める一発勝負が敵地で開催される不利を、数と熱量で跳ね返したと感じた現地のサポーターは少なくないはず。

江原FCに勝利してAFC CHAMPIONS LEAGUE ELITE 2026/27出場権獲得

X(旧Twitter)では『#ガンバサポ韓国遠征』のハッシュタグでサポーターによるACLアウェイ遠征中の様子を確認することができる。ポジティブな投稿の積み重ねが次のACLアウェイ遠征を検討しているサポーターの背中を押す。

サッカー観戦の魅力は選手への応援だけではない。現地で美味しいものを食べる、対戦相手サポーターと言葉の壁を越えて交流する、懐かしい外国籍選手との再会を喜ぶ、珍しいお土産を探す、国際映像に映っている現地のサポーター仲間にキャプチャをLINEする……すべての行動や発信が『サッカーへの関心をより高める』ことに繋がる。

昨シーズンの10冠獲得で勝負強さが戻ってきたガンバ大阪。サッカー界では「勝っているクラブが勝つ」は1つの真理。その好循環はサポーターも巻き込んで、クラブが次のステージへ向かう予兆を感じる江陵遠征になった。

心配された台風の影響もなく無事帰国。お疲れ様でした

【ACLアウェイ遠征記 メルボルンビクトリー編】消化試合で見せた二川孝広選手の意地

2016年5月6日
人気記事紹介

ABOUTこの記事をかいた人

大阪府出身。関西学院大学卒業後、スカパーJSAT株式会社入社。コンテンツプロモーションやJリーグオンデマンドアプリの開発・運用等を担当。2020年に筑波大学大学院でスポーツ社会学領域の修士号を取得。スポーツ系出版社のライター&WEBサイト運営を経て新聞社へ。社会学、映画、読書、F1、競馬、スポーツビジネス、ラーメンが好き。