【ACLアウェイ遠征記 メルボルン編】“消化試合”で見せた二川孝広選手の意地 -メルボルン・ビクトリー戦-

試合終了後、メルボルンまで駆け付けたガンバ大阪サポーターはある選手のチャントを歌った。その選手は試合に敗戦していたこともあり、笑顔は見せないながらも、観客席に向けて手を上げて応えた。この数秒のコミュニケーションで十分だった。言葉はいらない。なぜなら、我々の声援の先にいた選手は二川孝広だから。

ガンバの攻撃を長年牽引した二川選手

ガンバ大阪史上、最も無口で、最も天才であるフタ。チャントが歌われたことからも分かる通り、この試合で最も素晴らしいパフォーマンスを見せた選手の一人だった。試合前から既にACL敗退が決まっているというモチベーション的には難しい状況にも関わらず、そんな“消化試合”にベテラン選手が出場する。フタのボールタッチ数に比例して、リズムが良くなる試合展開を見ながら、敗戦濃厚の状況下でも声を枯らさずにはいられなかった。現状のフタの立場を考えれば、この試合での活躍が、今後のキャリアにどれほどの影響を与えるかは分からない。それでも、ベストを尽く姿に自分ができることは応援することだけだった。フタはどんな気持ちでプレーしていたのだろうか。

メルボルン・レクタンギュラ―スタジアム

メディアを通じ、試合前の選手達の意気込みとして聞いた「消化試合は存在しない」という言葉。自分達に言い聞かせているような、建前のような……そう言わざるを得ないものとして解釈していたが、試合が終わった今の捉え方は違う。消化試合など存在しない。フタのプレーを見終えた後で、消化試合なんて言葉は使えない。きっと一緒に出場した若手選手達も同じだと思う。この試合、この敗戦から得られないものはきっとある。

ガンバ大阪U-23観戦のすゝめ

ACLアウェイ遠征の魅力

試合は残念な結果になったが、今回のACLアウェイ遠征も充実したものになった。ゴールデンウィークに1試合観戦するためだけに遠征する“クレイジー”なサポーター同士だからこそ実現できるゴール裏の雰囲気(一体感)や、未知のスタジアムへの興奮は国内遠征では得難いものだ。海外遠征は本当に中毒性が高い。事実、メルボルンのスタジアムで見た顔はいつもACLアウェイ戦で見かける顔ばかりだった。

「顔は知っている」「SNSでは繋がっている」人とのオフライン交流が行われる点も少人数応援のACLアウェイ遠征ならでは。年齢を重ねることに比例して疎遠になる友人も多いが、毎週のように全国……いや、世界中で顔を合わせるサポーターコミュニティ―の重要性は今後、自身の人生において一層高まっていくのかもしれないとも感じた旅だった。

Photos:おとがみ

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駄文系サポーターブログ管理人。“サポーター目線”がコンセプト。Jリーグやガンバ大阪に関する雑記、ラーメンを中心とした全国のグルメ紹介記事などを執筆。10年間の衛星放送会社勤務を経て、サッカーメディア編集者に転身。筑波大学大学院でスポーツ社会学を研究(修士号取得)。趣味は炭水化物抜きダイエット。好きな食べ物はカレーライスとラーメン。ツイッターID:@7additionaltime