11月24日にフットボールチャンネル様に掲載頂いた記事「ストイコビッチにイエローカードを出された審判 -小幡真一郎インタビュー-」について少し思うところを。
ストイコビッチにイエローカードを出された審判 -小幡真一郎インタビュー-https://t.co/TOcJGpCN8U
(取材・文:玉利剛一 @7additionaltime )— フットボールチャンネル⚽️ (@foot_ch) 2018年11月24日
出会い
記事内にもある通り小幡さんと私は筑波大学の大学院で共にスポーツを学ぶ“同級生”という関係性。30歳以上違う年齢は勿論、スポーツ界での実績でも天と地ほどの差がある2人が同じ教室で学べる環境は大学院の面白いところ。授業以上に小幡さんをはじめとする各スポーツ界のトップランナー同級生との交流は自身の学びとなっている(私みたいな雑草がよく入学できたものだ)。
……と言いながら、実は入学まで小幡さんの存在を知らなかったことを正直に告白しなければならない。入学式で自己紹介をした際、小幡さんの「Jリーグの審判と教師をやってました」という話を「へぇー」くらいにしか受け止めていなかったのだが、帰り道で名前をググってみて驚き。Wikipediaには“1993年Jリーグ開幕戦の主審を担当” “ストイコビッチにイエローカードを出された審判”などなど「えー!!それ小幡さんだったの」という栄光の数々が紹介されているではないか。以降、私のレジェンドに対する態度が変わったのは言うまでもない。
このインタビュー記事は授業後にいつも立ち寄る「お好み焼き屋」での会話がきっかけとなっている。授業の感想や将来への夢をお酒を飲みながら語る時間はまるで本当の大学生に戻ったかのようで毎回楽しいのだが、そこで小幡さんから聞く話が面白くて面白くて。Jリーグの審判に関する情報はある種クローズドの部分もあったので、現役時代の経験もふまえつつ、現在は指導者の立場から語られる審判論は記事化すべきと取材を打診したという流れ。
取材にあたっては開幕戦に着たユニホームを写真用に着て頂いたり、当時の記憶を準備して思い出してもらうなど最大限の協力を頂いた小幡さんはもちろん、記事校正で掲載NG箇所を最小限に抑えて頂いたJFA様にも感謝を改めてお伝えしたい。
反響を受けて
記事のタイトルは各所と相談してキャッチーな「ストイコビッチにイエローカードを出された審判」としたのだが、記事の趣旨は想い出話ではなかった。ボツになった候補タイトルとしては「審判はつらいよ」「たとえ批判されようとも」などがあり、記事を通じて伝えたかったのは審判の苦労や当人の考え方を通じた正しい審判への理解。そういう意味で反響からその想いは届いていることが伺いしれたのは嬉しかった(意外に「ピクシーにイエローカード出されたのワロタww」みたいな反響はなかった)。
見出しは地味だが、日本サッカーにおける審判のきつい立ち位置や育成の必要性など見どころだらけの濃いインタビューだ…。|ストイコビッチにイエローカードを出された審判 -小幡真一郎インタビュー-(フットボールチャンネル) – Yahoo!ニュース https://t.co/FPxQDdqRJA
— 🎋モト田中ベッチュー🎋 (@mototanaka) 2018年11月24日
インタビュアーの切り口も含めて本当に良いインタビューだと思う。自分も審判を批判しがちだが感謝し気を付けないとなと思った / “article?a=20181124-00010000-footballc-socc” https://t.co/pqlM3wEJy8
— 温玉屋 (@BoiledEgg1987) 2018年11月24日
フットボールチャンネルにしてはずいぶん良記事。おっしゃる通り、日本は審判への理解が低い。もっとフォーカス当ててリスペクトされるべき。
ストイコビッチにイエローカードを出された審判 -小幡真一郎インタビュー-(フットボールチャンネル) https://t.co/T6Tbj2etLm
— おかもとけいた (@okamoto_keita) 2018年11月24日
この記事が公開された直後にタイミングがいいのか悪いのか「柿沼事件」が発生したことも読まれる燃料になった。この事件で柿沼主審を擁護しようとは思わないが、“下手くそな審判”というレッテルを貼って偏見で今後の判定を見ないように心掛けるつもり。第二の家本主審のような“被害者”を生みたくないというのもこの記事を書いた理由の1つでもあるし、審判への向き合い方はJリーグサポーターが抱える課題の一つだから。
おわりに
「引退後のレフリー」という職業ライターは扱わないであろうニッチなテーマながら面白くなる自信はあった。小幡さんを知らなかった自分の無知は一旦棚に上げるが、話を聞けば聞くほど凄い人だと感じていたので、生意気ながら記事を通じて再評価に貢献したいという想いもあった。
そして、この記事でも書いたがインタビュー記事を書くのは本当に楽しい。最高の学び(インプット)になる。一方で「サポーターと審判」「読者と小幡さん」、書き手として間に入ることは1対1の直接的な関係性では気が付くことができない解釈や魅力を提供しなければいけない責任も発生することを今回の記事では感じた。もっと勉強して知識を蓄えなければいけない。
※小幡さんは今年ブログ「17条とコモンセンス」を開設されました。こちらもご確認ください。

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