土曜日の午後8時過ぎ。Bリーグ・秋田ノーザンハピネッツの試合観戦を終え、秋田駅に戻って驚いた。人がいないのだ。営業時間を終えている店が多く、駅前の雰囲気はまるで深夜。11月中旬の秋田は気温がとても低く、何かをやろうという気持ちにならなかった(温かいラーメンが身に染みた)。夜遊びをすることもなく、そそくさとホテルに帰った。
秋田県で暮らす知人曰く「(秋田は)エンタメが少なく、寒いのであまり外に出ない。たまの外出はイオンへの買い物くらい」。若い人は他県に流出し、少子高齢化が悪化。肥満率の高さも、県が抱える大きな課題なのだそうだ。
そんな話を聞いていたので、Bリーグ観戦の翌日、Jリーグ(ブラウブリッツ秋田-ガンバ大阪U-23)が開催されたソユースタジアムのアウェイ側入口に設置されていていたウエルカムボード(本記事のキービジュアルと下記画像を参照)に少し切なくなってしまった。地方クラブにありがちな“歓迎力”の背景を悲観的に想像してしまう。
この日、秋田までアウェイ遠征したガンバサポーターは数えるほどだった。冬の秋田。極寒の中での応援は正直に言って苦行だった。秋春制が採用された場合、観戦中に凍死者が出るかもしれないと、真面目に心配になるほどに。サッカーというスポーツにとって、秋田は良い環境とは言えない。能代工業高校の影響もあるだろうが、屋内スポーツであるBリーグ(ハピネッツ)に県内の人気が集まるのは理解できる気がした。
アリーナスポーツである「Fリーグ」にとっては好環境?
誰かにとってのネガティブは、誰かにとってのポジティブ。Bリーグ人気が高い秋田では、(サッカーは難しくても)フットサル(Fリーグ)の人気が高まる可能性はあるのではと考える。根拠は2つ。
1点目は、秋田県のサッカー少年は雪で屋外の練習ができない冬季には、屋内でフットサルをプレーしていること。2点目はノーザンハピネッツ(Bリーグ)の人気。同チームは新アリーナ建設を目指しているそうだが、同じアリーナスポーツであるフットサルと協業できたら楽しそうだ、と妄想を広げた。Bリーグを観戦するたびに思うが、FリーグもBリーグを見習って、エンタメ性の高さを意識した興行(試合)を開催して欲しい。
普段はあまり訪問機会のない県でスポーツを観ると、違う着眼点を得ることができる。そういう意味では非常に有意義な秋田遠征だった。同遠征ではブラウブリッツ秋田の社長・ 岩瀬浩介氏にインタビュー取材も実施した。そちらも記事もお時間あれば是非。
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