森高千里さんは“雨”を「思い出も涙も流すもの」として捉えていたようだが、Jリーグに関しては、雨はむしろ思い出(記憶)を確かなものにする要素である。今節、後半アディショナルタイムの同点弾という劇的展開は、豪雨の冷たさと共に、私はずっと忘れないだろう。雨は、伝説を成立させる必要要素である気がしていて、古くは「きつねの嫁入り」から始まり、近年では音楽ライブ(フェス)も雨とセットで伝説が語られていることをしばしば目にする。
ただ、現場にいる人間としては雨は大変だ。天気予報から豪雨であることが確実させていたので、現地に行くことすら少し躊躇ったものの、惰性で早朝からシート貼りを行った。開門までの時間を待つ浦和美園イオンのカフェでは、試合の延期を祈ったことを正直に告白しなければならない。試合後、埼玉高速鉄道車内の窓に映る自分の姿は、往路より少し老けた気がした。
そして、ブログを書いている今、のどの痛みに苦しめられていることも報告している。試合前日、勤め先で「週末は雨なのに、ガンバの試合なんですよねぇ」と、ヘラヘラと喋ったせいで、うかつに病欠もできない。「サッカー観戦で体調を崩す奴」という烙印を押されたくない。まあ、事実ではあるが。
最後まで頑張れた理由は?
この試合の4日前、同じ埼玉スタジアムで開催されたACL準決勝を観戦している。浦和レッズは、かなり強度の高い試合を行っていたので、その試合とほぼ同じメンバーで挑んだ今節は消耗がある……はずだった。各局面でレッズに上回られる試合展開に目を疑った。ガッカリだ。
ただ、試合内容とスコアが必ずしも連動しないのがサッカー。結果は3-3のドロー。勝っても、負けても、あまり大きな意味を持たないとも考えられる一戦で、選手達が粘れた理由は何だったのだろうか。要因として、1%でも我々サポーターの声援が含まれているのなら、のどの痛みは無駄じゃない。

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