井出遥也選手のスタメン抜擢から考える「自己評価」の必要性

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私の勤めている会社では、年に2回「自己評価シート」なるモノの提出が義務付けられている。業務に関する複数の質問事項に、自身の仕事ぶりを1~5点の範囲で得点を付ける作業だ。「評価は他人からされるものであって、自分でするものではない」と拒否したが、上司には認められなかった。

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正しい評価とは

アルビレックス新潟戦、井出遥也選手がスタメンに抜擢された。怪我や出場停止の選手がいたという事情はあれど、チーム内の序列が確実に上がっている。先日のルヴァン杯での得点が評価されての起用だろうが、得点があろうが、なかろうが、以前から彼のプレーは高いポテンシャルを感じさせるものだった。評価基準の危うさを感じずにはいられない。もっと前から起用されるべき選手だと思っている。

評価を高める井出選手(写真左から2番目)

一方、我らが守護神である東口順昭選手は、日本代表戦での3失点で、評価を落とす事態となっている。どの失点もGKの責任とは言い難く、あれで評価を落としているのは納得がいかない。井出選手とは逆のパターンで、こちらも(世間の)評価の妥当性を疑っている。

このような事象が続くと、「評価は他人からされるものであって、自分でするものではない」という、自身の考えを改める必要性が出てくる。結局、自分のことを一番理解しているのは自分であって、それを他人に委ねるのは間違っているのかもしれない。東口選手が、代表戦での批判を吹き飛ばすようなファインセーブを今節も連発している姿を見て、そんなことを思った。

自分で自分を信じることができなければ、未来を切り開くことはできない。自己評価シートで堂々と5点を付けられる自分になろう。まあ、それはそれで上司から「謙虚さが足りない」と怒られそうだけど……。

Photos:おとがみ

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1984年生まれ、大阪府出身。関西学院大学卒業後、スカパーJSAT株式会社入社。コンテンツプロモーションやJリーグオンデマンドアプリの開発・運用等を担当。2020年に筑波大学大学院でスポーツ社会学領域の修士号を取得。現在はスポーツ系出版社のライター&WEBサイト運営。ビジネス関連のテーマを中心に取材・執筆。F1と競馬も好き