「ボールピープル」(近藤篤)

サッカーを考えることに疲れた時、読み返したくなる一冊。サッカーが持つ本質的な魅力が、ピュアな文章と、エモーショナルな写真で記載されている全編カラーのフォトエッセイ。「『こんなサッカーの本はなかったね』と言われるものを目指した」という筆者の言葉通り、ページ毎にフォントサイズや、レイアウトが違うなど、オリジナリティ溢れる構成も魅力。

書籍概要

書籍名:ボールピープル

筆者:近藤篤

発行:文藝春秋

価格:1,800円(税別)

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行間、余韻を楽しむサッカーエッセイ

主にNumber取材で撮影されたというサッカー写真が沢山掲載されており、それだけでも十分楽しめる。撮影の対象は国内外・プロアマ問わず様々で、共通点を探るならば「日常の中にあるサッカー」。ローカルなサッカーの旅が読書を通じて経験できる……そんな感じ。

写真は躍動感があるものもあれば、哀愁を感じさせるものもあり、こちらもバリエーション豊富。そんな写真に対して、ユーモアあるコピー(一言コメント)が付けられているものだから、読んでいる方の感情はグチャグチャになる。

同一人物の作品なので当たり前なのだが、写真も文章も力みがなく、親和性が抜群。1つのエッセイ内で、主観と客観が自由自在に入れ替わる時もあり、そうした効果もあるのか不思議な世界観も味わえる。「日常の中にあるサッカー」と前述したが、切り取り方が独特なので、リアリティがあるような、ないような……少し哲学的な技術もあり……既存の枠から飛び出した作品。

間違いないのは、近藤さんの温かみのある目線や言葉によって、何気ないサッカーの風景が、魅力あるコンテンツに昇華されているということ。写真と文章の行間を楽しみたい。文章量は多くないので、読者に想像の余地が残されている。読了後の余韻までがセット。

感想が難しい内容なのだが、何も考えずに、気が向くままにページをめくる。それが、この本の正しい楽しみ方だと思う。

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駄文系サッカーブログ「ロスタイムは7分です。」を運営。“サポーター目線”をコンセプトにガンバ大阪やJリーグ、アウェイ遠征先で食べたグルメ(主にラーメン)に関する雑記を配信。関西学院大学社会学部卒業後、スカパー!に10年在籍。筑波大学大学院(スポーツ社会学)を経て、フットボリスタ所属のライター&編集者として活動。他媒体への寄稿も行っている