涙とベテラン -田尻健J1デビューの裏で-




田尻が泣いていた。

試合後、泣いている事に気がついた時は何に対しての涙なのか分からなかった。彼が責任を感じるべきプレーはなく、デビュー戦としては堂々とした佇まいを頼もしく思っていたので、その印象とのギャップに違和感を覚えた。

お辞儀をする田尻

チームとしては1/34節であっても、彼にとっては大きな意味を持つ一戦だったという事だろう。ピッチに立てた喜び、同点に追いつかれた悔しさ、声援への感謝……涙の理由は1つではない。そんな複数の感情の高まりを抑えきれなかった。そう考えると違和感は消えた。

そもそも素直に泣けるのは素晴らしい事だ。今節に至るまでの過程で努力し、考え抜いてきたからこそ流せる涙がある。女性にとっての涙が武器なら、男性にとっての涙は証明だ。涙の裏にあるものに対して真摯に向き合ってきた証。

田尻、J1デビューおめでとう。

田尻をリラックスさせた藤本淳吾の言葉

田尻自身が試合後に語っているように緊張感はなく、スムーズに試合に入れていたのはポジティブな驚きだった。本人のベンチでの過ごし方による効果も大きいだろうが、藤本の「健にはそんなビッグセーブを期待してないから大丈夫だから」という声掛けに助けられたというコメントは見逃せない。

正直、今のガンバの戦い方において藤本の使われ方は想像がつかない。ただ、そういう状況でもチームに貢献できるベテランの存在価値は考えておきたい部分。仮に同じ発言を初瀬がしたところで田尻に同じ影響を与えたとは思えない訳で、実績とキャリアのある選手がベンチに控える意味の大きさも感じた一戦だった。




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一日中サッカーのことばかり考えているダメサラリーマン。東京在住の30代男性。衛星放送の会社に勤務しつつ、大学院でスポーツを勉強中。アウェイ遠征時は御朱印をもらってからスタジアムへ。炭水化物抜きダイエットを実施中。好きな食べ物はカレーライス。