田尻健選手J1デビューの陰で -藤本淳吾選手の献身-

試合後、田尻選手が泣いていた。

そのことに気がついた時、何に対しての涙なのか分からなかった。1-1で終わった試合において、彼が責任を感じるべきプレーはなく、デビュー戦としては堂々としたプレーを頼もしく思っていたくらいだ。だから、その印象と目の前の事象のギャップに違和感を覚えた。

ただ、それはサポーターの目線だ。私にとっての今節は2017年に行われるリーグ戦の1/34に過ぎなくても、彼にとっては大きな意味を持つ一戦だったということだろう。J1デビューの喜び、同点に追いつかれた悔しさ、声援への感謝……きっと涙の理由は1つではない。様々な感情が合わさった結果としての涙。そう考えると違和感は消えた。

そもそも素直に感情を表現できること自体が素晴らしい。ここまでの過程で努力してきたからこそ流せる涙があるということ。よく言われる女性にとっての涙が武器だとしたら、田尻にとっての涙は証明なのかもしれない。

田尻選手、J1デビューおめでとうございます。

田尻選手をリラックスさせた藤本淳吾選手の言葉

田尻選手自身が試合後に語っているように、J1デビューにも関わらず緊張はなく、スムーズに試合に入れていたのはポジティブな驚きだった。本人の性格や心構えの部分も大きいだろうが、藤本淳吾選手の「健にはそんなビッグセーブを期待してないから。大丈夫だから」という声掛けに助けられたという田尻選手のコメントは見逃せない。

現在のチーム状況において、藤本選手の起用法はかなり限定的だ。そういう状況下においても、ピッチ外でチームに貢献できるベテランの存在価値を改めて感じるエピソードだった。若手選手が同じ台詞を発しても効果はない訳で、キャリアのある選手がベンチに控える意味の大きさも感じた一戦だった。

Photos:おとがみ

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駄文系サッカーブログ「ロスタイムは7分です。」を運営。“サポーター目線”をコンセプトにガンバ大阪やJリーグ、アウェイ遠征先で食べたグルメ(主にラーメン)に関する雑記を配信。関西学院大学社会学部卒業後、スカパー!に10年在籍。筑波大学大学院(スポーツ社会学)を経て、フットボリスタ所属のライター&編集者として活動。他媒体への寄稿も行っている