「お兄ちゃん、ガンバだよね?」
タンメンを待つ私に店長が問いかける。30代中盤の私が“お兄ちゃん”に相応しい存在なのか一瞬自問したが、質問の趣旨はそこにはないと判断し、「はい!ガンバです」と回答した。店長曰く、試合開催日は毎節アウェイサポーターが数多く訪ねてくるそうだ。静岡の「さわやか」同様、同地区の一強グルメだろう。試合当日のSNSタイムラインは、この店が提供する料理の写真が占領する。
お店紹介
店名:花水ラオシャン
住所:神奈川県平塚市花水台29−4
営業時間:10:30~22:00
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平塚駅から1.5キロ。徒歩で15~20分程度。平塚駅すぐに「老郷 本店 (ラオシャン) 」という同名の店があるが、そことは別店なので注意が必要。アクセス方法はバスという選択肢もあるが、私は平塚駅西口のレンタサイクル(200円)を利用している。駅から距離はあるものの、店の前には入店を待つ両クラブのサポーターらしき人の大行列。12時頃に訪問して、入店までに40分、提供までに10分程度かかった。メニューはどれも格安。一番オーソドックスなタンメンはなんと400円。店長はベルマーレサポーターで、気さくにお客さんと会話を楽しみながら調理をするスタイル。
食べるべき一品:「月見タンメン」(450円)
洗練された見た目が美しい。シンプル・イズ・ベストを体現する一品。透き通ったスープ、真っすぐな麺。食べる前から職人のこだわりがひしひしと伝わってくる。スープをすすった時の意外性は今シーズン一番。透き通ったスープのどこからこの味の深みを想像できただろうか。リンゴ酢の酸味と旨味が両立。さらに生卵のまろやかさと、辣油の辛味が加わったことで生まれる味の広がりは、永遠に食べ続けられるのではないかという錯覚に陥るほど。
正直、味への期待値は高くなかった。450円という値段設定は原価が安いことを示しているし、シンプルな見た目は味の素朴さと同義だと考えていた。自分の中でタンメンのパラダイムシフトが起きた。
まとめ
素朴さの中にある深み。洗練されたシンプルさの背景にあるこだわり。美しく凝縮されている味。値段が安い・量が多い店にありがちな柄の悪い客層とは無縁な雰囲気も素晴らしい。店長の人柄がなせる業か。行くべき。
ごちそうさまでした。
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