「伸ばす力 世界で輝く『日本人選手』育成レシピ」(レヴィー・クルピ)




こんな表紙がピンク色の本を手に取る時がくるなんて数か月前までは想像すらしていなかった。元セレッソ大阪監督で、今シーズンからガンバ大阪の監督に就任したレヴィー・クルピが2014年に出版した一冊。セレッソ大阪監督時代の事例をベースに自身が考える監督論が紹介されている。シーズン開幕前の“予習”として読んでおきたい一冊。

書籍概要

書籍名:伸ばす力 世界で輝く「日本人選手」育成レシピ

著者:レヴィー・クルピ

発行:株式会社カンゼン

価格:1,600円(税別)

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モチベーションを引き出す指導者

戦術や采配の話はあまり出てこない。タイトルにもある通り「育成」がメインテーマとなっている。クルピは「監督」よりも「指導者」や「教育者」という表現の方がしっくりくる人物だ。本書内では繰り返し「夢を持つ」重要性が書かれている。言い換えると「高いモチベーションを持つ」ことが選手の成長にとって重要で、クルピは心へのアプローチを重視している。「モチベータータイプ」の監督だろう。

私は、チームマネジメントの根幹は、多種多様なコミュニケーションにあると考えている。

練習中、試合中のプレーぶりはもちろんのこと、どんな車に乗っているのか、ずっと同じ車なのか買い換えたのか、髪型はどうか、普段の表情はどうか、チームメイトの誰と仲が良いのか、性格はどうか、といったことだ。さらに他の人から情報を得ることもある。

義務感ではなく、元々のメンタリティとしてコミュニケーションを取るのが好きなのだそう。選手との間には一線を引かず、ホテルの部屋を訪問して雑談をすることもあるようで、監督に親近感を持ってプレーする選手も増えそうだ。モチベーション向上は「見られている」と感じさせるところが肝だと考えているので、それによって「クルピのために」と選手に思わせればチームマネジメントは成功する。サポーターからは見えにくい部分だが、報道される選手や監督コメントから推測し楽しむつもりだ。

また、夢を持つことで成長していった恒例として香川真司が紹介されている。当時はボランチだった彼の攻撃的ポテンシャルを見抜き「もっと結果を残せ」と常に上を目指させたアプローチはガンバユースの哲学にも通じる部分がある。「若手の抜擢」は過去実績的にも本書を読んでもクルピに最も期待する部分の1つ。市丸、井出、食野、初瀬……彼ら若手の成長は今シーズン最大の見所。「私にとって選手は自分の息子同然」ともあり、誰がクルピの秘蔵っ子となるか楽しみである。

数年後、ガンバで成功をおさめたクルピが蒼色表紙の書籍を出版する未来を期待しよう。




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ABOUTこの記事をかいた人

一日中サッカーのことばかり考えているダメサラリーマン。東京在住の30代男性。衛星放送の会社に勤務しつつ、大学院でスポーツを勉強中。アウェイ遠征時は御朱印をもらってからスタジアムへ。炭水化物抜きダイエットを実施中。好きな食べ物はカレーライス。