【マドリード遠征記】サンティアゴ・ベルナベウに命を -チャンピオンズリーグを観戦して-




スタジアムが表情を変えた。いや、そんな小さな変化ではない。「命が吹き込まれた」と表現するのが適切だろう。試合前日に訪れたスタジアムツアーでは老朽化が進んでるくらいの感想しか持てなかった場所が一夜にして聖地と化した。

欧州チャンピオンズリーグ「レアルマドリード-パリ・サンジェルマン」観戦することを目的にマドリードに来ている。会場はエスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウ。ヨーロッパで観たかった光景がそこにあった。

スタジアムが生きている

なめていた。この試合の3日前に訪れたカンプノウが日常の延長線上にある様な雰囲気だったこともあり、求めていた‘未知なる熱狂’はスペインには存在しないと決めつけていたのだ。

この考えは良い意味で裏切られる。思い返せば試合前から予兆はあった。スタジアム周辺にあるサポーターの溜まり場はアルコールとゲロが混ざったような匂いが充満しており明らかに治安が悪い。グッズを扱うアンオフィシャルな出店にはウルトラスの文化を感じさせるタオルマフラーが並んでいた。

そして、「バス待ち」でこのスタジアムがカンプノウとは違うことを確信する。来場者全員が来ているのではないかと思うほどの規模感。自然発生的にチャントが繰り返される風景は熱狂そのものだった。

スタジアム入場後も驚きは続く。ゴール裏のサポーター人数が少ないなと思えば「見くびるな」とばかりに超ビッグフラッグが掲げられた。そもそも座席の位置云々で熱量を測ること自体がドメスティックな考えでナンセンスなのだ。どの席で応援しようと彼らは紛れもない‘当事者’だった。誰しもが積極的に試合に関与するからこそ作り出される雰囲気はJリーグでは経験したことがないものだった。

試合前に掲げられたビッグフラッグ

特にネイマールのシュミレーションに対するブーイング時は凄まじかったものがあった。5.1chサラウンドの映画館にいるような感覚。吹田スタジアムにおける清水航平へのブーイングが可愛らしく思えるほどだ。スタジアム中で共有できるサッカーへの評価軸があるのだろう。だからこそリアクションに一体感がある。それはリードされるものではなく湧き出るもの。生々しくもあり、まるでスタジアムが感情をもっているようだ。

喜ぶレアルマドリードサポーター

過去、ガンバ大阪が万博記念競技場を使っていた時代に「歌え万博」というゴール裏以外の席でも積極的な応援を促す活動があったが、この活動の到達点をマドリードで観たような気がしている。いつかパナソニックスタジアムでも実現出来る日は来るだろうか。

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一日中サッカーのことばかり考えているダメサラリーマン。東京在住の30代男性。衛星放送の会社に勤務しつつ、大学院でスポーツを勉強中。アウェイ遠征時は御朱印をもらってからスタジアムへ。炭水化物抜きダイエットを実施中。好きな食べ物はカレーライス。