【ドルトムント遠征記】イタリアのガンバ大阪




原体験。

先月、ヨーロッパに行ったのはこれを求めてのことだ。「私のアナザースカイは……ドルトムントです!」と元気よくカメラの前で宣言したい。数年後、“戻って来た”ドルトムントで「懐かしいな。当時は一人旅だったんです。今こうして妻と子供と一緒にここでの時間を過ごせるのは感慨深いものがありますね。なにせ私はその旅でドルトムントサポーターを観て、今の生き方を決意したんですから。もはや私にとって第2の生誕地と言っても過言ではないですね」……とか言ってやりたい。誰に。

ブレない生き方をしてる大人は原体験となる旅をしている。川淵キャプテンはデュッセルドルフ近郊の「デュースブルク・スポーツ・シューレ」を観たことがJリーグ立ち上げの原動力になってるし、中田英寿に至っては旅が人生になってしまったほど。過去ワールドカップでもインドネシアサッカーでもACLでも得られなかった人生の糧となる経験をしたかった。

スタジアム

ヨーロッパリーグを観戦

突然の脇役 -アタランタ-

バルセロナマドリードと続けた旅で最後の訪問地・ドルトムントに1番期待していた。「黄色い壁」に代表される圧倒的な熱量。自分が大好きなサッカーがどれだけ価値があるものなのか本場のフィルターを通じて確信に変えたかった。

しかし、想定外の脇役が登場する。スタジアムに向かう地下鉄の中で聞こえきたのは我がガンバ大阪と同じメロディーのチャント。「Forza(フォルツァ)○○〜♫」…イタリア語である。ドルトムントの対戦相手であるアタランタ(セリエA)のサポーター集団が大騒ぎしていたのだ。チャントだけではなく、服装や旗までガンバサポーターに似ている。青黒の血が騒ぐ。なんたる偶然。するとガンバサポーター仲間からツイッターにメッセージが届く。

知らなかった。ドルトムントのサポーターを観にきたはずなのに俄然アタランタに興味が湧く。気がつくと彼らばかり目で追っていた。

試合前から大騒ぎするアタランタサポーター

愛と狂気

ドルトムントサポーターは想像を裏切らない熱量だった。ゴール裏を埋める2万人を見て数の力を思い知ったし、真面目に続けるチャントや、スタジアム全体で応援するタイミングなど明確にルール化されている様にはドイツらしさを感じた。日本人が真似しやすいのはこちらだろう。子供から大人までエンタテインメントとしてしっかりサッカーを楽しんでいた。

黄色い壁(ドルトムントサポーター)

一方、アタランタの応援には「狂気」を感じた。あれはエンタテインメントに対する感情表現ではない。ゴールの瞬間、彼らの周りだけ感情爆発により時空が歪んで見えた。国境を越えたアウェイ遠征にも関わらず大量に駆けつけたサポーターの数も含め、クラブに人生を重ねるのではなく、アタランタこそ人生。そういう喜び方だった。

人生には狂う時間が必要だ。その時間が自分をまともにする。試合後、負けたにも関わらず充実した表情をしているアタランタサポーターを見てそう感じた。しかし、なぜガンバ大阪サポーターはカオスとも言えるアタランタを応援のモデルにしたのだろう。今度はイタリアに行ってみよう。

原体験を探す旅は続く。

ジグナル・イドゥナ・パルク

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ABOUTこの記事をかいた人

一日中サッカーのことばかり考えているダメサラリーマン。東京在住の30代男性。衛星放送の会社に勤務しつつ、大学院でスポーツを勉強中。アウェイ遠征時は御朱印をもらってからスタジアムへ。炭水化物抜きダイエットを実施中。好きな食べ物はカレーライス。