2年連続の決勝完敗。長谷川健太監督のチームに未来はあるのか? -2016年ルヴァンカップ決勝総括-

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結果的にはその失敗で優勝を逃す形となってしまった呉屋選手のPK。ただ、将来のエース候補がこの悔しさを糧に成長スピードを速めてくれるのであれば、PK失敗も意味がある。PK合戦で外した選手はえてして号泣する姿を見せるのが定番化している中で、堂々とした振舞いを見せた呉屋の姿が頼もしく思えた。きっと次は決めてくれる。

力関係が変わるターニングポイント

「先行」「ガンバ側ゴール」「劣勢展開の末」……この3要素はPK合戦勝利の方程式的には高い勝率のはずなのだが(自分肌感覚調べ)、負けてしまった。前回大会決勝での敗戦もふまえ、チームは高いモチベーションで全力を出し切った感はある。最終的にはPK合戦での敗戦となったが、力負けの印象もある一戦だった。

ガンバ-レッズのライバル関係において、ターニングポイントは間違いなく2008年のACL準決勝第2戦(埼玉スタジアム)であった。この試合でガンバが勝利したことで、それまでのレッズ優勢という力関係が逆転したと思っている。ただ、今回の敗戦は逆の意味で、再度ターニングポイントになってしまう可能性があるように感じている。埼玉スタジアムの雰囲気も強かった頃のレッズに近いものを感じた。

ただ、そうした危機感や敗戦の悔しさは、モチベーションにもなる。ビッグゲームでの敗戦で深まるクラブ愛。劣勢を耐え続けた意地や執念からは、長谷川ガンバがまだ死んでいないことを印象付けたし、個人レベルでは無双状態と言っていい井手口の存在も未来にむけて頼もしい限り。1つのサイクルが終わりつつあるように感じていたが、まだ先があるのかもしれない。この敗戦を未来につなげて欲しい。

Photos:おとがみ

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1984年生まれ、大阪府出身。関西学院大学卒業後、スカパーJSAT株式会社入社。コンテンツプロモーションやJリーグオンデマンドアプリの開発・運用等を担当。2020年に筑波大学大学院でスポーツ社会学領域の修士号を取得。現在はスポーツ系出版社のライター&WEBサイト運営。ビジネス関連のテーマを中心に取材・執筆。F1と競馬も好き