屠所の羊 -アウェイ2連戦を終えて-

メディア寄稿実績

「今が正念場!こんな時だからこそスタジアムに行かなければ!選手達の勇気になりたい!」

“日曜ナイター”“九州アウェイ”もなんのその。逆境に燃えてこそのサポーター。意気揚々と仙台・鳥栖と2週連続のアウェイ遠征を敢行した。しかし、結果は選手達の勇気になる前に自分の心が折れる事態に。今はむしろ失意の私を応援して欲しい。

特に残留争い直接対決となったサガン鳥栖戦のダメージは大きい。3点リードされた後は声を出して応援することがままならない精神状態だった。それは怒りなのか、それとも諦めだったのか。まだ気持ちの整理がついていない。

たとえ、また敗れようとも

逆転の見込みがほぼない終盤、弦太を前線に上げたパワープレーのシーン。鳥栖のカウンターに対して弦太のカバーとして最終ラインに立つのはヤット……。あの戦術は得点を取りにいったのか、自暴自棄だったのか。地獄のような時間だった。早く試合終了の笛を鳴らして欲しかった。

フェルナンドトーレスのゴールでベアスタは大盛り上がり

タイミング

先日、大学の同窓会に出席した際に同級生の女子(現・30代女性)が「あの時(大学時代)に告白されてたら付きあったんだけどな」といった趣旨の発言した。これは今告白されてもノーチャンスであることも意味していた。

つまり、何事にもタイミングがあるということ。チャンスの神様は待ってくれない。鳥栖戦の選手達の姿からは“監督交代という劇薬”の効果が切れたように見えた。宮本監督就任直後の鹿島戦、名古屋戦、磐田戦、札幌戦……勝てるタイミングで勝たないとチームは死ぬのだ。チームとして共通理解が浸透してきてもいい時期に、無策のような内容の試合を目の当たりにし、色々と覚悟をしなければいけないことを痛感した。カリスマの求心力も永遠には続かないのか。

「諦めるのは簡単」
「諦めたらそこで試合終了」

チーム状態が悪い時、叱咤激励のつもりなのか、消化不良になりそうな正論がインターネット上に並ぶ。しかし、あの試合を見せられた上で現状を表す適当な言葉は“絶望”だろう。次点は僅差で“失望”だ。

1失点完封の罠 -なぜガンバはこんなにも自分みたいなのか-

多くのサポーターが「今のチームはJ2に落ちたら再浮上できない」と話す。冷静にチーム力を分析する一方で、それは「自分自身の気持ちが切れてしまうかもしれない」という不安の裏返しにも聞こえる。2度目のJ2降格がリアリティを持ちつつある中、我々もかなり追い詰められている。

だからこそ、私もあえて書こう。今必要なのは浪花節なのかもしれない。サポーターにできることはこれしかないのだ。信じよう。そして、応援しよう。

そう、俺達の町田ゼルビアを。

過ぎ去りし時を求めて -町田ゼルビア改名問題考察-

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1984年生まれ、大阪府出身。関西学院大学卒業後、スカパーJSAT株式会社入社。コンテンツプロモーションやJリーグオンデマンドアプリの開発・運用等を担当。2020年に筑波大学大学院でスポーツ社会学領域の修士号を取得。現在はスポーツ系出版社のライター&WEBサイト運営。ビジネス関連のテーマを中心に取材・執筆。F1と競馬も好き