ファン感謝祭で長谷川健太監督にシュートを教えてもらった話

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サポーター歴も長くなると、それなりに様々な経験をしてきた。

ACLワールドカップでの海外遠征、クラブワールドカップでマンチェスター・ユナイテッドとの試合は興奮したし、今年から始まったJ3参入(ガンバ大阪U-23)では沖縄など、これまで行ったことがなかった土地も訪ねることができた。もう十分サポーターライフを満喫している……と思っていたが、未経験が残っていた。

ファン感謝祭……通称「ファン感」である。

スタンスを先に表明しておくが、私はファン感に対してはアンチの部類に入る。選手達が踊ったり、女装したりする必要性が理解できない。“感謝”の在り方(そもそも、感謝を求めていない)として、あれは正しいイベントなのか……と。

そんな私が今年初めて「ファン感」に参加したのには理由がある。「ファン感」内で開催される抽選制のイベント『男のFW講座』に当選したのだ。このイベントは、吹田スタジアムの芝生の上でボールを蹴ることができる。小学生からサッカーを愛し続けてきた身としては、夢舞台でのプレーは絶対に経験したかった。

「男のFW講座」受付ブース

心の距離が近づくイベント

やる気満々でガンバ大阪のトレーニングウェアに身を包み、“藤春モデル”のアンブロシューズを履いて、いざピッチの中へ。パナスタの芝生の上でボールを蹴られるだけでも嬉しいのに、なんと長谷川健太監督と長沢駿選手から直接指導を受けることができた。

冒頭、健太監督から「昨夜の試合でも得点取れなかったクラブの監督ですが……本当に私にシュートを教えてもらいたいですか?」と自虐ギャグ炸裂。大阪で過ごす時間も長くなり、笑いのスキルは間違いなく上がっているようだ。関西人相手のマネジメント術の神髄を垣間見た気がした。

スケープゴート -ガンバらしさを失った原因は本当に長谷川健太監督にあるのか-

2017年10月29日

汗でビチョビチョになりながらも、参加者の目を見ながら丁寧なコミュニケーションを取る健太監督。【ボールを受ける時の体の角度】【DFの視野から消える予備動作】など、初心者中心の参加者層のイベントとしては難しすぎる指導に、健太監督の真面目さを感じて好印象。

ちなみに、イベントの後半は大半の参加者が対応できない【クロスからダイレクトボレー】というメニューだったのだが、あれは健太監督渾身の“ボケ”だったのではないかと考えている。とにかく、Jリーグでトップクラブの実績を誇る監督から直接指導を受けた時間は充実したものだった。

長谷川監督が直々にクロスをあげてくれる

そんな健太監督の姿勢に心を動かされた参加者は多かったのではないか。いい年齢して恥ずかしいが、健太監督にシュートを誉められた時は素直に嬉しかった。短い時間だったが、十分アピールは出来たと自負している。夏のマーケットで獲得オファーが届くことを期待してイベント会場を後にした。

『男のFW講座』以外も含めて、参加してみると「ファン感」は意外と楽しかった。監督や選手と直接コミュニケーションを取ったことで、これまで以上に応援したい気持ちが高まった。逆に批判をする際も、相手の気持ちを考えた上で適切な言葉を選べるようになる気がする。ファン感がクラブと誠実に向き合うきっかけとなったという人は結構いるのではないか。

皆さん、「ファン感」オススメですよ!

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1984年生まれ、大阪府出身。関西学院大学卒業後、スカパーJSAT株式会社入社。コンテンツプロモーションやJリーグオンデマンドアプリの開発・運用等を担当。2020年に筑波大学大学院でスポーツ社会学領域の修士号を取得。現在はスポーツ系出版社のライター&WEBサイト運営。ビジネス関連のテーマを中心に取材・執筆。F1と競馬も好き