ガンバサポーターは天皇杯を優勝したくらいでは必要以上に喜ばない。タイトル獲得の喜び以上に「ACLで良いグループに入れた」という感想が飛び交うのが今のガンバ大阪。クラブオフィシャルすら優勝当日に来シーズンのACL日程をリリースするという仕事の早さ。我々は既に未来を見ている。
明神智和選手のために
ただ、今回は過去を振り返るべきだろう。2006年ガンバ入団から10年間、チームに尽くしてくれた明神智和選手へ改めて感謝を伝えたい。数々のタイトルを獲得した西野時代の超攻撃的なスタイルが成立したのは明神の献身があってのこと。全員が前がかりになっている中、1人肩で息をしながらひたすら危険なスペースを潰しにダッシュを繰り返す明神の苦しそうな顔は一生忘れない。守備を重視する長谷川ガンバ体制になってから出場機会が減ったのは皮肉だが、オフザピッチにおける貢献度は誰しもが知っている。
過密日程を感じさせないハイテンションなゲーム内容は「明さんのために」という想いが原動力だったはず。そんな選手が在籍してくれた幸せを噛みしめている。ヤットが明神のユニフォームを着て表彰式に優勝トロフィーを掲げた瞬間がハイライト。ガンバに関わる全ての人の明神へ対する感謝を表現するナイスパフォーマンスだった。
明神選手、10年間ありがとうございました。今年から他クラブに移籍されてもますますのご多幸をお祈り申し上げます。