特定の選手による影響力でスタジアム来場者数が増える現象は何年ぶりだろうか。宮本恒靖氏、遠藤保仁選手に続く、ガンバ大阪のニューヒーロー誕生。日本代表での活躍を機に、知名度爆上がり中の井手口選手をクラブは全力で活用すべきだ。
(ガンバ得意の)井手口選手プロデューススタグルの販売、スポンサー企業へのアクティベーション活用の提案、自治体への挨拶周りも忘れてはいけない。井手口選手には、ピッチさながらの運動量が、オフザピッチでも求められるかもしれない。
過去、急成長と呼べる選手は何人かいた。橋本英郎選手、大黒将志選手、平井将生選手、安田理大選手……そんな選手達と比較しても、井手口選手の成長スピードは異常だと言える。3年前、ナビスコカップで前半途中交代させられた時からは考えられない躍動感である。やはり、若手は我慢して起用を続ける時期が必要なのだろう。長谷川健太監督の功績も評価されるべきだ……なんて考えていたら、驚きのニュース速報。「長谷川健太監督、今シーズン限りで退任決定」。
長谷川健太監督退任の捉え方
この報道を「悲願達成」と捉えている人もいるだろう。ただ、退任が決定した以上、批判を続けるのは日本人の美意識からは外れる。不倫した有名人も、離婚を境にマスコミの報道量は落ち着く。多分、ここからは「健太監督、これまでありがとう」といった功労を称えるモードに入るだろう。事実、報道後初となるパナスタでの試合では、試合前に長谷川監督の名前がアナウンスされた際の反応は(これまでとは違い)温かいものだった。死んでから評価されるのは、いかにも日本らしい。
個人的には、長谷川監督退任の判断は1年遅かったと思っている。昨シーズン終了時点で、チームのサイクルが終了していたのは明らかで、原点回帰以外にチームを蘇らせる術を持っていないように感じていたからだ。
今シーズンの残り試合は「長谷川健太監督のために」という想いを、選手達がどれだけ持っているかで展開が大きく変わってくるだろう。2005年は「引退する松波選手のために」、2015年は「移籍する明神選手のために」という想いが力になった。
長谷川監督のラストマネジメントにも注目したい。(退任の結論に至った一因とも報道されている)守備的なサッカーを続けるのか、開き直りの攻撃サッカーに挑戦するのか。個人的には残り試合は少ないとはいえ、今の(つまらない)サッカーを応援するのは精神的に厳しい。長谷川監督には勝敗を気にせず、自分がやりたいと公言した攻撃サッカーに挑戦して、最後を迎えて欲しい。
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