矢島慎也や柿谷曜一朗の去就に想う“一体感”のつくり方 -ガンバ大阪2018シーズン前半戦総括-




この数か月、よく聞かれることがある。

「なんでガンバ弱いの?」

これを読んで頂いているガンバサポーターの皆様も職場や学校で同じようなことは起きているのではないだろうか。多分、答えは1つではない。「監督が変わったから…」「怪我人が多くて…」「内弁慶で…」……etc. 色々あるであろう原因の1つ1つを分析する必要はあれど、今回は『ガンバファミリー』での倉田秋の発言をフォーカスしたい。

番組内で語った話を要約すると……

  • タイトルを獲っている時期はチームに一体感があった
  • しかし、チームの人数が増えたことによってそれが弱くなっている
  • 例えば、チームが勝てば全員が喜ぶなど一体感を生むアクションが足りない

ガンバが弱い原因を「一体感の欠如」とする主張であるが、倉田自身も認めている通り難しい問題である。試合に出ていない選手はチームの勝利が自身の出場機会に結びつかいない部分もあり、素直に勝利を喜べない心情は理解できる。沢山良い選手を抱えること=チーム力向上とはならない。

2002年ワールドカップにおいてトルシエが中村俊輔をメンバーから外した理由として、彼をベンチに座らせることによって不満因子となるリスクを考慮したという話を聞いたことがある。必要なマネジメントだろう。ガンバにおいてはキャリアのある藤本淳吾や、引退した藤ヶ谷陽介のような選手達が出場機会がなかった時でもフォアザチームの精神を持っていた幸運があったが、常にそうした選手がチームにいるとは限らず、ピッチ外の(リスク)マネジメントは考えるべき重要なテーマである。

矢島慎也は移籍するのか!?

ドリブルする矢島慎也選手

そして、矢島である。高い期待感と共に新加入してから約半年。ガンバを離れる可能性がサポーター間で噂されている。何かしらの報道があった訳ではなく、現状をふまえた推測の域を出ない話ではあるが可能性がないとも言い切れない。加入後半年で移籍した場合、記憶では「水なんとか」選手に続き2例目。噂が現実のものになれば異常事態だ。

話を倉田の指摘に戻す。矢島がチームの一体感に貢献するのは立場的に非常に難しかっただろう。「運動有能感」なる理論がある。すごいプレーができたり、努力が実ったり、監督や仲間から認められたりすると高まるものである。そして、運動有能感が高い人はチームへ積極的に関与するようになると言われている。ただ、逆にこれが低いとチームへの関与が弱まってしまう。

矢島は「監督や仲間から認められる」“受容感”の欠如に悩まされていないか心配している。2月のキャンプでは周囲の高い期待と共にトップチームでプレーしていたのにも関わらず、いつからかガンバU-23が彼の居場所になっていた。自分より年下で実績もない食野や高江がクルピに抜擢されるのを横目にJ3で戦う日々は彼の居場所を狭くしたかもしれない。同じく加入1年目で苦労した例としてはオ・ジェソクの話が有名だが、彼には加地亮がいた。矢島には誰かいるのだろうか。

チームメイトと喜び合う矢島慎也選手

年齢的にもまだ若い彼がツネに数か月の間指導を受けるのは悪い経験ではないし、焦る必要性はないと思っている。個人的にはヤットの後継者になれる逸材だと期待していたので移籍の噂が現実のものになれば落胆するだろう。仮にクルピが彼を評価していなくても、ツネや、我々サポーターの期待をもっと示すことで彼の受容感を高める必要性があるのではないだろうか。

「チームに一体感が足りない」と指摘することは簡単だ。大切なのは、そこに対する具体的なアプローチを考えること。まずは大所帯のチームだからこそ個々の立場や役割を尊重し、認めること。矢島とは状況は違えど起用法への不満を背景として柿谷曜一朗がガンバに移籍してくる可能性が報道されているが、補強の前に考えるべきことがある。

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ABOUTこの記事をかいた人

1日中サッカーのことばかり考えているダメ社会人。ガンバ大阪サポーター。東京在住の30代男性。10年間の衛星放送会社勤務を経て、スポーツを勉強するために大学院に入学。炭水化物抜きダイエットを実施中。好きな食べ物はカレーライスとラーメン。